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『お彼岸について』 2012年9月 法話
總願寺住職 山口眞司
秋のお彼岸が近づいて参りました。皆様方にはご健勝にて お過ごしの事と拝察し心よりお慶び申し上げます。
 扨、皆様方は夏水仙(なつずいせん)という花を御存じですか?
曼珠沙華(まんじゅしゃげ)と同じ仲間のヒガンバナ科に属する花です。花言葉は「深い思いやり」です。
日本では、北海道を除く全国の主に人家の近くの里山付近に生息します。總願寺の庭にも毎年八月の中旬から
下旬にかけて淡いピンク色の花を咲かせます。今年もあちらに一叢こちらに一叢と綺麗な花を咲かせていました。
実はこの花は、秋から翌年の春にかけて水仙に似た葉を出しますが、その葉は枯れてしまいます。そして真夏に
花茎を伸ばしその上に花を咲かせます。つまり花が咲くころには葉はありませんから、葉も花もお互いに知りません。
葉は自分が育てた花を見ることもなく枯れていき、咲いた花は自分を育ててくれた葉を知ることは出来ないのです。
時間を隔てて葉は生まれ花は咲きますが、葉は必ず後に美しい花が咲く事を信じて枯れてゆき、
花は自分が咲けるのは先に枯れていった葉があったからこそと精一杯咲き誇るのです。
 この関係は今を生きる私達と、ご先祖様との関係に似たものがあります。
つまり、私達は両親がいなければこの世の中に存在しませんし、ひいてはご先祖様がいなければ存在しません。
そして、ご先祖様はまだ見ぬ次の世代が幸せである事を願ってその時代を精一杯に生きていたのです。
つまり私達は、そういう大きな命の流れの中で「生かされている」のです。
お彼岸の月こそ、それらの事に思いを致し「生かされている」事に感謝をして、
これからの人生を精一杯生きる為の目標を立てて行きたいものです。  合 掌
※曼珠沙華(まんじゅしゃげ) 彼岸花
曼珠沙華(まんじゅしゃげ)
夏水仙(なつずいせん)
夏水仙

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